境界トラブル、いきなり裁判?――その前に知っておきたい「境界ADR」という方法
行政書士・認定土地家屋調査士の佐藤です。
「お隣さんと土地の境界について意見が合わない」
土地家屋調査士として仕事をしていると、そんなご相談に出会うことがあります。
たとえば、
- 昔からある塀が、本当に境界なのか分からない
- 測量してみたら、隣の方が考えている境界と違っていた
- 境界標がなくなっていて、どこが境界なのか分からない
- 相続した土地を売りたいのに、境界の話がまとまらない
こうした問題は、放っておいて自然に解決するものではありません。
しかし、
「境界でもめたら、すぐ裁判」
というわけでもありません。
裁判になる前に、話し合いで解決する方法があります
裁判によらず紛争の解決を目指す仕組みを、**ADR(裁判外紛争解決手続)**といいます。
土地の境界についても、このADRを利用して解決を目指す方法があります。
土地家屋調査士は、土地の位置や境界を調査・測量する専門家です。
さらに一定の研修を修了し、法務大臣の認定を受けた土地家屋調査士は、一定の範囲で、弁護士と共同して境界に関するADRの手続代理を行うことができます。
これが、いわゆる**「ADR認定土地家屋調査士」**です。
「どちらが勝つか」ではなく「どう解決するか」
境界問題が難しいのは、単純に測量すれば終わるとは限らないところです。
図面、境界標、過去の測量資料、現地の状況などを調べても、隣接する土地の所有者同士で認識が違うことがあります。
そして境界問題は、お隣同士の問題でもあります。
裁判で白黒をつけることが適切な場合もありますが、その土地をこれからも所有し続けるのであれば、裁判が終わった後も「お隣さん」であることに変わりはありません。
そこで、
裁判になる前に、専門家を交えて話し合いによる解決を目指す。
そのための選択肢の一つが境界ADRです。
こんなときは、早めにご相談ください
境界問題は、土地を売却するときや相続が発生したとき、建物を建てようとしたときなどに突然表面化することがあります。
「昔からここが境界だと思っていた」
「先代同士では話がついていたはずだ」
そんな話でも、代替わりすると事情を知っている人がいなくなってしまいます。
だからこそ、問題が大きくなる前に資料を確認し、現地を調査し、必要であれば隣接する土地の所有者と話し合うことが大切です。
認定資格そのものより、「何を解決できるか」
私自身、土地家屋調査士試験に合格してからも勉強は続きました。
法律は改正されますし、新しい制度も生まれます。
ADR認定土地家屋調査士になるための勉強も、その一つでした。
しかし、お客様にとって大切なのは、
「どんな資格を持っているのか」よりも、「その資格で何を相談できるのか」
だと思っています。
土地の境界について、
「お隣ともめそうだ」
「話がまとまらない」
「裁判になるのは避けたい」
そんなときは、問題が深刻になる前に土地家屋調査士へ相談してみてください。
測量だけではなく、境界問題をどう解決していくかを考えることも、土地家屋調査士の仕事の一つです。


