遺言書の必要性について

こんにちは行政書士の 佐藤 栄一 です。
今回は終活において重要なポイントになる「遺言書」についてお話します。
まずは、遺言書の必要性についてですが、遺言書は、自分の死後に残される遺産を受け取る親族に対して自分の意志を明確にするための文章になります。
遺言書には法的に拘束力がありますので、遺言を守る事を義務付ける事も可能となります。

法律とは国民がトラブルを起こさずに生活する為に定めた決め事なので、このような法律に従うことで、遺言者の死後に円滑な事後の処理を行えることなります。


遺言書を制作できる人とは

遺言書は本人が書いてもよいのですが、法的な効力を持たせる為には専門家に制作を依頼するのが良いかと思います。
詳細はここでは省きますが、自筆証書遺言書の場合などはそれに法的効力を持たせるには 

第968条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自筆し、これに印を押さなければならない

2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第978条第1項に規定する場合における同項に規定する権利を含む)の全部または一部の目録を添付する場合には、その目録については、自筆することを必要としない。この場合において、遺言者はその目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。

3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。


ザっと上に書いた法律があって、一般の方では何をいってるのか?になりますよね?
それにいくら法的に効力があるとはいえ、無理な内容には従えない事もありますから。
遺骨を火星に埋葬しろとか、墓は巨大な古墳を作れとか、富士山の山頂に埋葬しろとか、内容に違法性がある場合などは特に、せっかく書いても無駄になってしまいます。
そこで、適切な内容であるかのサポートをするのが、その道の専門家の役割となります。
遺言書を制作できる専門家として 弁護士・司法書士・行政書士などがあります税理士でされる人もいますがケースとしては少ないようですね。
弁護士は、特に法律に関する問題に対してアドバイスやサポートを提供することができます。

これらの資格者は、遺言書の制作に関する問題に対して適切なアドバイスやサポートを提供することができる専門家なのです。

そしてさらに、その遺言書の真正性を確認する機関と専門家が公証人役場と公証人になります。

公証人役場とは

公証人役場なんて、聞きなれない言葉ですよね。
公証人役場とは、公正証の作成、私文書の認証、確定日付の付与などを行う役場のことです。
法務局が管轄し、公証人が執務します。
公証人独立採算制がとられている点が一般の官公庁と異なるのが特徴です。
現在は全国に約300カ所存在して、電子定款認証にたいする指定公証人の配置が進められています。

公証人とは国の公務である公証作用を担う実質的な公務員です。
法律によって定められた審査やプロセスを通じて法務大臣によって任命されるものです。

公証人の認定を受ける職種としては、裁判官、検察官あるいは弁護士、などがあります。
公証人とは「公証人法(公証人法第13条)」に基づいて法務大臣より任命される国家資格で、公証業務を行うことが認められます。

ここまでお話するとかなり敷居が高い感じを受けてしまいますよね。
しかし、一人の人生の後片付けなのです。
そんな簡単な事では無い事と私は思います。

2021年の日本人の平均寿命は厚生労働省の簡易生命表(令和3年)によると、男性が81.47歳、女性が87.57歳です。
80年以上も生きた人生の終活ですから、それなりに残る家族や友人に伝える事はあるかと思います。
物の整理、情報の整理も沢山ある事と思います。
終活はお元気で動けるうちにされる事をお勧めします。

遺言書を書いた方がいい人

 

行政書士として長年の経験でこんな場合は書いた方がいいですよというケースをご紹介します。
実際に相続が発生した場合に、遺言書があったらこんなに苦労しなくても済んだのにと思う場面が多々ありました。

例えば相続人の中に外国籍の方と結婚して国外に居住している場合などは、遺産分割協議に署名押印をもらうのが大変です。
国籍を失っていた場合など特に大変です。

相続人のなかに経済苦の方など遺留分でごねてしまう場合、放浪癖のある方などで、本人と連絡が取れずに遺産分割協議書に署名捺印が取れずに、遺言書があったらこんな苦労はしないで済んだのにと思われた場面が多々ありました。

近年は子供を持たないご夫婦も多く、亡くなった場合は配偶者だけが相続できるのではなく、亡くなった方が若年層の場合にその相続遺留分が親、兄弟にも発生し相続人となり、疎遠な人から印鑑をもらうことになりますので、これも大変です。
遺言書があればそれらの複雑な手配をしないで済むことになり大変助かります。

生前に相続の話なんて縁起でもない、などと遠ざけている人がいますが、少しでも財産を持っていて亡くなると、遺産というものが残り受け継ぐ人がいれば相続をすることになります。
特に不動産や現金、預金、有価証券などを持っていると厳格な手続きをしないとその方の死後は遺産を動かせなくなってしまいます。

何があろうとたとえ大金が入ることになろうとも、その相続にはかかわりたくないという人は、相続の放棄という手続きをすれば、初めから相続人ではなくなりますので、プラスの財産も負の財産の一切かかわらずに済みます。

人の一生、資産形成に励み遺族に多額の遺産を残すことを成し遂げた人。
はたまた資産家の家に生まれ、財産管理をしてきて次の世代に引き継ぐために生きてきた人。
生活するだけで資産も、負債も残さなかった人。或いは、生前にやんちゃをして負の遺産を残してしまった人。

様々な人生の最後の仕上げが相続です。

相続人にしてみれば、親が遺産を残すのが当たり前、相続に際してもらい分があるのが当たり前という考え方に私個人は疑問を持つ今日この頃です。

遺言書の書き方、種類、相続放棄のやり方などかなり、面倒くさいものです。
その為の専門家が相談をお受けいたします。

行政書士は事実証明書としての遺産分割協議書、遺言書の起案などに携わりますが、紛争になっているものや、仲介、斡旋になるものは弁護士にしかできませんので、そうなる前にご相談くだされば「三方よし」の解決が図られるものと思います。