介護人が相続では蚊帳の外な事案

こんにちは、行政書士・土地家屋調査士の佐藤です。
本日は、自身も体験したタイトルの内容についての話です。

さて、私自身の話を少しいたします。
実家は農業を行う家の長男として生まれました。
これだけ言うと、お察しの方もおられるかと。

結婚した当時は、囲炉裏や五右衛門風呂が現役な、築年数150年は経過するかやぶき屋根の古民家に住んでおりました。
思えば女房はよくこのようなボロ屋で8歳も年上の私に嫁いでくれたものです。
知り合ったきっかけは、女房が勤務していた病院に私が入院した事でした。
細かなエピソードは、省略いたします。

我が家の家族構成は、祖母、父母、弟を含めた5人家族で女房を含めて6人の大家族。
兄弟は男子が三人となります。

足腰が弱った祖母の面倒を孫嫁にあたる女房はマメに世話をしていてくれました。
当時は、母も帰宅が遅い務めをしていて、女房が夜勤のある病院勤務から外来の仕事に転職をして、家事をこなしてくれました。
農家の長男の嫁とくれば、家の事は「嫁がして当たり前」な考えが、ご多分に漏れず私にもありました。
よくよく考えれば法律の専門家として、実に恥ずべき事ですね。

【親の介護や扶養の義務とは】
扶養義務が課されるのは、本来の親族のうちの一部である3親等内の親族ということになります。 また、3親等内の親族が扶養義務を負うことになるのは、原則的に扶養義務を負う直系血族と兄弟姉妹、配偶者に経済力がないような特別な場合のみです。 この場合、家庭裁判所が審判によって3親等内の親族を扶養義務者とすることができます。

少し難しいですが、要約すると親の扶養や介護の義務とは、実子にのみありその配偶者には無いのです。
同居していてば、便宜的に協力をお願い出来る程度なのです。
それを、長年にわたり「当たり前」と解釈してきたのは、ただ単に家庭内の事に多く関わる女性がした方が都合がよかったからです。

【長男の嫁がして当たり前では無い】
長男の嫁には義務など無くまさにそれを押し付けてきた背景があります。
そして、重労働ともいえる介護を押し付け親が亡くなり今度は、相続の話になります。
ここで、タイトルの回収でまさに長年に渡り介護をしてきた、功労者である「嫁」は蚊帳の外となります。
義理の親と嫁が養子縁組でもしているのなら、相続の権利が嫁にも子と同様に発生します。
しかし、大抵はそんなケースは稀で義務を押し付け権利は渡さない事が通例でした。

これでは余りにも理不尽な事ですよね。
自分も嫁が・・・でしたが、ある日女房に扶養や介護義務についての話を切り出されまして、あれ?
と、なった次第です。
面目次第もありません。
紺屋の白袴、灯台下暗し。

それ程に、親の扶養や介護問題は誤認されているケースがまだまだ多いのです。
田舎ほど、それは多く見受けられと思います。
近年に増えてきた熟年離婚問題には、こういった理不尽を強いてきた背景もあるのかと思う次第です。

このコラムの最後に、実に分かり易い親の介護の義務についての解説をしている動画を貼ります。